鉄骨造の建物での雨漏り対策:実際の事例と対応

弊社に寄せられる雨漏りに関するお問い合わせの中で、木造建物と並び多いのが鉄骨造の建物です。
鉄骨造には重量鉄骨と軽量鉄骨の二種類があり、外壁の仕上げにはALC板塗装やタイル張り、カーテンウォールなど様々な方法が採用されています。
今回は、特に普及しているALC板塗装仕上げの建物で発生した雨漏りの一例をお話しします。

最近、あるマンションの一室で大雨や強風が吹くときに雨漏りが発生するというご相談を受けました。このマンションは3階建ての鉄骨造で、築38年が経過しており、屋根は陸屋根でウレタン防水が施されています。外壁はALC吹付タイルで、一部はタイル張りです。漏水は3階の南面窓のサッシ上部から発生していました。
過去15年にわたりシーリング補修や塗装、防水工事を行ってきましたが、問題は改善されていませんでした。

このため、実際に現地を訪れ、管理会社の担当者から詳細な情報を得ることにしました。調査によると、漏水が発生している部屋は現在空室で、漏水箇所はサッシの上部と確認されました。外壁を調査したところ、過去に何度も補修されていた痕跡がありましたが、シーリングは破損しており、ALC板の継ぎ目部分も開いていました。

屋上を調べたところ、ウレタン防水層に明らかな不具合は見られず、笠木からの水の吹き込みも少ないと考えられました。そこで、外壁の不具合部分が雨水の浸入原因である可能性が高いと結論付け、さらに詳細な調査を行うことにしました。

具体的には、散水による雨漏り調査を実施しました。ALC板の継ぎ目部分に水をかけると、約5分で水が浸出し、雨漏りの再現に成功しました。これにより、サッシ周りのシーリング部分とALC板の継ぎ目も雨水の浸入箇所であることが明らかになりました。

この調査から、シーリング部分とALC板の継ぎ目が主な雨水の浸入経路であると判明しました。これらの部分は過去にも補修が試みられていましたが、雨漏りは改善されていませんでした。これは、補修工事の仕様が適切でなかったことが原因と考えられます。ALC板塗装仕上げの防水性は、外壁の塗膜とシーリング材に大きく依存しているため、

これらの材料の破損や剥離は雨漏りの直接的な原因になります。そのため、適切な補修が極めて重要です。

この問題に対処するため、私たちは部分的ながらも的確な補修工事を提案しました。特に、3階部分の角部屋に位置するため、雨水の浸入経路が限られていることと、補修が必要な部分がベランダの上部にあるため、足場を組むことなく補修を行うことが可能でした。補修後には散水試験を行い、雨漏りが止まっていることを確認しました。

この一件から学んだことは、ALC板塗装仕上げの建物においては、補修方法を誤ると雨漏りが再発しやすいという点です。見た目には簡単そうに思える補修でも、長期的な防水性を確保するためには、修繕仕様や計画を慎重に立てる必要があります。大規模な修繕工事を行う際には、将来的な雨漏りを予防する観点からも、適切な修繕計画を策定することが重要です。

雨漏りは単に不快なだけでなく、建物の構造に長期的な損傷を与える可能性があるため、早期の発見と正確な原因特定、そして適切な対処が必要です。今回の事例を通じて、私たちは雨漏りの診断と対策の技術をさらに磨くことができました。今後もこの経験を活かし、お客様の貴重な財産を守るために最善を尽くしていきます。


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